通信教育
新幹線をはじめとする電車・客車・電気機関車・ディーゼル機関車・新交通システムなど、さまざまな車両を日々世に送り出す、正に日本における鉄道車両製造のトップメーカー。
そのマザーファクトリーである兵庫工場では、製造現場でのリーダーである職場長の育成に、フォアマン・コースを30年以上の永きにわたってご活用いただいています。
更に、独自に共同学習する場を設けられるなど、受講生のバックアップを熱心に行っておられ、毎年受講生のほとんどが非常に優秀な成績で修了されています。
今回は、人事総務部人事・教育課の池藤嘉信様と萩原英樹様にその取り組みについて、ご紹介いただきます。
取材日:2017 年6 月
※ 記事中の役職・記事内容等は、取材当時のものです。
川崎重工業㈱車両カンパニー兵庫工場では、現在、約1,500人の社員が勤務しています。そのうち現場でモノづくりに従事する生産職としては、700人強の社員が在籍しています。川崎重工グループでは、生産職の社員に対する教育・育成に関しては、一部の研修を除いてそれぞれのカンパニーにて計画・実施することとなっており、車両カンパニー兵庫工場においても、人事総務部人事・教育課が生産職の社員に対しての主な教育を実施しています。
【写真右】
川崎重工業 株式会社 車両カンパニー
企画本部 人事総務部 人事・教育課
基幹職 池藤 嘉信 様
【写真左】
川崎重工業 株式会社 車両カンパニー
企画本部 人事総務部 人事・教育課
萩原 英樹 様
去る2015年4月に車両カンパニーでは、「カンパニービジョン」を打ち出しました。
-最強のチームワークと最高水準の技術と品質で、世界のお客様に夢と感動を届け、もっとも信頼される鉄道車両システムメーカーになる-
現在はこのカンパニービジョンを実現できる人財を育成することが、我々のミッションです。当社兵庫工場は車両カンパニーのマザーファクトリーとなっているため、鉄道車両を生産するにあたっては、名人が技術力を磨き、経験を積み上げ、それを次の世代に継承していかなければなりません。一方で、お客様のニーズは多様化しており、さらに高い現場力が求められています。そのような状況で車両カンパニービジョンを実現するためには、今まで以上に最強のチームワークを生み出し、統率できる、優秀な現場リーダーの存在が不可欠であると考えています。
日本マネジメントスクールのフォアマン・コースは現場リーダーである監督者を育成するための通信教育コースということで、我々にとっての生産現場での責任者である職場長を育成するための教材として、30年以上にわたって継続して利用しています。
フォアマン・コースは8単元のテキストを8か月掛けて学習する構成となっています。各単元ごとに明確にテーマが設定されているので、毎月ひとつのテーマについてきちんと学習できる点が非常に良いと思います。
また、提出する課題レポートの設問の多くが、選択問題ではなく、手書きの記述式であり、受講生が普段の職務内容に照らし合わせて回答しなくてはいけないことも、素晴らしい点だと思います。正解が一つではなく、受講生それぞれが担当する職場での実際の業務上での課題について深く考えることができる、そして、その回答に対して、添削指導の講師の先生の豊富な経験や知見に基づいて、非常に丁寧に添削指導していただける、それこそがフォアマン・コースの大きな魅力であると思います。
・何となく漠然と感じていたことを、きちんとした知識として明確化できた
・第2単元のマトリックス研究表では、目標を具体的に数字に落とし込む大切さを学べた
・本当に大変だったけど、頑張ってやったことが自信となって良かった
実際に、自ら手書きして必死で取り組んだ課題レポートを、大切に保管している修了生も多いようです。何かの折にレポートを見直し、受講していた際の状況やそれについての考え方を振り返って新たな「気づき」を得ることもあります。また、あの大変なコースを必死に学習して修了したという経験は、それだけで良い成功体験となり、自信に繋がっているようです。
我々車両カンパニーでは、フォアマン・コースの特性を活かすために、毎月1回受講生が一同に集まって、2時間程度、共同学習する機会を設けています。
まず、テキストを事前配布し、1カ月程予習期間を設けています。その際に、テキスト内にある小さな課題についても、それぞれに自習するように促しています。当日は、フォアマン・コースを過去に修了している研修事務局・社内講師が1時間程度の講義を行い、その後、テキストのテーマのもと、具体的な自らの職場の問題について1時間程度のグループディスカッションを行っています。最後に、課題レポートを受講生に配布し、1週間程度でレポートを仕上げ、研修事務局に提出するように求めています。また同時に、次のテーマのテキストの配布も行います。
まずは受講生のペースで予習を行い、社内講師による講義で重要な点について理解を深め、グループディスカッションによって多様な考え方に触れて視野を拡げてから、課題レポートに取り組む。これによって、テーマに対しての理解も促進され、より深く実際の業務上の振り返りが可能となることで、具体的に実務に活かす「気づき」を得ることができるのではと考えています。
尚、今年度、教育・研修体系の見直しを行いました。
集合研修終了後の1年間を職場実践期間とし、職場でじっくりと実践育成する期間を設けることとしました。
また、その職場実践期間の修了報告会において、今一度、フォアマン・コースを受講した際に取り組んだ課題レポートを振り返るフォローアップを行うといった、新たな取り組みも計画しています。
この試みによって、よりフォアマン・コースを活用して優れた現場リーダーの育成が可能になることを期待しています。
川崎重工業 株式会社 車両カンパニー 様
明治39(1906)年、兵庫工場が川崎造船所運河分工場として開設
以来、100年、川崎車輛時代を経今日まで、つねに技術の先端を歩みながら鉄道車両の発達と近代化の一翼を担い、社会に貢献。
現在、マザーファクトリーである兵庫工場の他、米国にも2つの本格的な工場を有し、世界中で市民と足としての交通を支えている。
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